立原道造/津村信夫 (新学社近代浪漫派文庫 34)
立原道造/津村信夫 (新学社近代浪漫派文庫 34) / 感想・レビュー
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津村信夫の遺稿「みるきい・うゑい伝説」は俺のフェイヴァリット・ベスト1。一生涯、それを変えるつもりはないし、必要もない。あまりに好きだったので、コピーして高校の頃、新潟大学構内にばらまいたことがある。でも、進学したのは三田にある福沢の銅像がある大学だった。そして、やっぱり隙をみてはいろんなとこで津村信夫の布教活動をやり、やっては、裏通りにつれていかれたりした。後悔など、ない。
2009/07/14
Lieu
立原道造の小説を読みたくて手に取る。温厚な師匠の堀辰雄の小説が抒情的であっても、生のままの情念や不用意な言葉を剪定しつくしているので、別離を描いて淡白であるのに対し、早逝した立原道造の小説は、美しい言葉だけが選ばれていても破調があって、羽に傷を負って地上に苦悶する天使のような、ある痛ましさが感じられる。小説家の師とは違い、やはり本領は抒情詩にあったのだろう。
2022/08/22
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