丹下健三
丹下健三 / 感想・レビュー
ソノダケン
1936年のマルクス主義者への弾圧により、丹下健三はマルクスを捨てざるを得なくなった。そこで生じた思想の空白を、ハイデガーが埋める。「世界」に対する「建築」の優位。ふむふむ……で、だからなに? 哲学書を読んだからってビルは立たないでしょ。すくなくとも本書から、その因果関係を辿ることはできない。建築をインチキくさい哲学用語で飾り立てる風潮が、ザハ・ハディッドみたいなやつをのさばらせたのを思うと、平静でいられない。左右・天地・厚さともにボリュームたっぷりだが、時系列にそって出来事を羅列しただけの薄っぺらい本。
2016/07/31
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