グリム童話: その隠されたメッセージ
グリム童話: その隠されたメッセージ / 感想・レビュー
ティス@考える豚
副題にあるメッセージ性には少ないが、多角的にグリム童話についての考察が為された良著。グリム兄弟の来歴、グリム童話200余の作品の登場人物の類型的な分析、グリム以外での他国の童話作品との比較、グリム童話初版から7版までにおける文章表現・人物類型の推移など、多岐に渡る分析はグリム童話考において非常に為になる。やはりグリム童話はドイツ土着の民話や伝説ではなく、中産市民や貴族など知識人層によって形成された可能性も高い。グリム童話は200余あるにも関わらずパターンが決まっているのはやはりグリム兄弟の影響も大きい。
2016/01/05
hanako
課題のため。「隠されたメッセージ」という副題から心理学的な考証が中心と思いきや、主にヤコブとヴィルヘルムの編集についてが中心だった。他の明文化されたメルヒェンやメルヒェン研究について、メルヒェン一般の原則についても語られている。ロシアにはいばら姫の男性版がある、というのは面白い。
2011/02/18
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