反=文芸評論―文壇を遠く離れて
反=文芸評論―文壇を遠く離れて / 感想・レビュー
モリータ
今後読むかもしれない川上弘美と『堕落論』の論、興味のうすい佐川光晴作品評と「演劇における前衛とウェルメイド」以外を読んだ。村上春樹批判、芥川賞と「優等生」的テーマのこと、「虚構は「事実」に勝てるか」」がおもしろかった。最も示唆的だったのは「曖昧な日本の女」の、語り手のインテリ性に関する指摘、とくに山本文緒の文体と主人公の設定に関する疑問の部分だった(筆者は「山本の作品には、正直言って、違和感を覚え」つつ、感想の普遍化は自重している)。粗さがしでなく『プラナリア』やその他作品を再読したいと思う。
2012/02/02
poefan
どれも独創的な内容で面白い。村上春樹への批評は痛烈。またドイツ文学者関係の話題への距離感が意外と公正な感じ。娯楽風評論。
2009/06/14
nanchara_dawn
『文學界』に連載された文芸時評を書籍化したもの。川上弘美や筒井康隆、藤堂志津子といった個々の作家について述べたものから、「天皇と文学」「いじめ」「ウェルメイド」など、ひとつのテーマについて検討する章もあり、語られる内容が幅広くて読み応えがあった。著者は、「論文」と違って学問的厳正さが要求されず、そのかわりに論理の飛躍や直感的記述が要求される「文藝評論」からは距離を置くことを再三表明しているが、巻末に置かれた村上春樹論のように、良い意味で個人的な意見を丸出しにした文章も同時に収録されているのが興味深い。
2010/11/29
КИТАРУ МУРАКАМУ
至極まっとうな文芸評論
2010/11/15
mxnishi
最近出た「リアリズムの擁護」につながる著作
2008/06/21
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