江戸幻想批判―「江戸の性愛」礼讃論を撃つ
江戸幻想批判―「江戸の性愛」礼讃論を撃つ / 感想・レビュー
kenitirokikuti
図書館にて。ちくま新書『もてない男』と同じ年に刊行(1999年)。97年の『男であることの困難』の「私的フェミニズム論」5 フェミニズムの「前近代幻想」 から継続して論じられている。近代の悪は、近代に誕生したのではなく、近代の悪は前近代から育ちつつあった。なので、前近代のうち近代の悪に繋がらないところは自由だったのだ、みたいな理窟が批判されている。あとがきで小谷野氏は、何人かの女子大生から近世の遊郭や恋愛の研究がしたい(佐伯順子『遊女の文化史』の読者)と相談を受けた、という。
2020/09/07
kokada_jnet
旧版を読んでいたので未読だったが。この「改訂新版」旧版刊行後の、論文や対談などを多数収録で、読んでよかった。著者の執拗な「江戸幻想派」への批判は壮絶さを極める。
2010/01/24
のの
執拗さや語調がうっと思う部分もあるが、手法もいってることも参考になる。 江戸は近代の萌芽を見るか、美化されてる部分や、長い期間の一部の文化が誇張されてたりするしなぁ。 後世の人が小悪魔アゲハを読んだときにどう思うか、って想像。
2011/11/16
とんび
執拗な追求はWebで炎上しがちな人っぽい感じではあるけど、真面目で論理的なだけでなくユーモアもあり、なかなか楽しく読めた。
2010/08/24
パム
後半、岸田秀との往復書簡がメチャクチャ面白い。誠実に互いの相違疑問をぶつけていて、分かりやすい。岸田の「わたしが文献などは勝手に都合のいいものをもってこられると軽く見ているのと同じように、あなたは理屈なんてどうにでもこじつけられると馬鹿にしているかもしれません。このような見解の相違はどうにかなるものでしょうか」という言葉がすごく腑に落ちた。私は岸田秀派。前半は教養が無い身にはちと辛い。学者世間の暗黙の了解みたいなのも。男性支配はフェミ論壇では前提、とか言われても…。秀才的な回りくどい表現も読みづらかった。
2014/04/18
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