1968〈上〉若者たちの叛乱とその背景
1968〈上〉若者たちの叛乱とその背景 / 感想・レビュー
壱萬参仟縁
5年前の本。 40年を経て満を持す。 辞書、事典と同様の本。 厚い。 僕はまだ生まれてない。 1961年度から団塊世代の 当時中2,3年生全員にに学力テスト (44頁~)。 それが今でも蒸し返したのだった。 受験勉強で級友を蹴落とす(67頁)。 これは、1990年代まで 続いていったように思う。 最近では少子化で大学全入時代だが。 団塊世代って大学生の頃も こう書いてはあれだが、 お盛んだったのか?(122頁辺り)
2014/05/15
ぐうぐう
1970年前後に起こった全共闘を代表とする学生運動。その時代を検証する書籍は、これまでも多く刊行されているが、当事者が書いたものは、自己の行動が正当化、もしくは美化される傾向にあり、かたや、ジャーナリズムな視点から書かれたものは、歴史を振り返るずるさから、当時の若者を安易に突き放し、否定する傾向がある。小熊英二の『1968』は、あの時代の証言を丁寧に拾い集め、英雄譚やセンチメンタリズムに陥らず、かといって、都合のいい情報だけを採用して批判だけを導くこともせずに、(つづく)
2013/01/06
すーぱーじゅげむ
学生たちのスケールの大きな群像劇でした。こんな熱い時代だったんだな、と感動しました。熱心には参加しなかった一般学生の日記や発言がすごくよかったです。学生たちが声を上げた「学費値上げ、受講者数百人のマス授業、大学のワンマン経営、医学部のインターンの給料低い」このへんは私の頃も(21世紀ですよ)変わってなかったと思いながら。「私たちは、自分のことは自分で決めるという民主主義教育を受けた。二枚舌の大人にはNoと言う」それで暴力を持ち出すのはダメですが、まっすぐで羨ましいです。
2023/03/21
てれまこし
自分は安田講堂攻防戦の後に生まれたから、世代的には一回り若い。だが全共闘の学生たちに対する共感が半端ない。読んでて何度も目頭が熱くなった。マルクス(と恐らく柳田国男)を実存主義的に読むところ、「本来の大学」「本来の大学教授」への憧れと現実の大学・教授への失望。ほとんど自分のことみたいに感じた。親が晩婚であったし大衆社会・消費文化から距離をとって育ったから、恐らく自分も戦後民主主義や教養主義の子らと似たような心性をもちつつ、親の世代に対して反発した。もう革命なんか信じられない時代に生きつつ叛乱を夢見てた。
2021/08/26
新平
1984と間違えて買ってしまった、んなわけない。学生運動と学生運動家の運動と大学紛争の違いがわかった。暴力装置を備えている近代国家において、革命なんてものは無理だということがよくわかる。三島由紀夫のアプローチは可能性はともかく間違ってはいなかったということか。 60年安保に関わる運動が政治運動で、東大闘争までの大学紛争というのが、学内政治闘争と今で言うなら市民運動、社会運動を内在していた、というところか。
2016/12/23
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