本は物である―装丁という仕事
本は物である―装丁という仕事 / 感想・レビュー
shikada
装丁=本の表紙・カバー・外箱などを作る仕事を解説する一冊。装丁の歴史や、デザインの考え方を詳しく説明している。確かに装丁は大事で、「ジャケ買い」なんて言葉があるくらいで、本の内容を知らずに手に取る読者にとっては、装丁が非常に雄弁な役割を果たしていると思う。自分が昔読んだ「オオカミ族の少年」の装丁を本書の筆者が担当していて、当時、装丁がどのように決まったのかのエピソードを懐かしく、また興味深く読んだ。
2019/06/01
KIO
物としての本がどのように作られているかがよくわかる本です。こういう本はあまり無いように思っており、貴重かなと思い読みました。僕にとっての手にとる具体的なきっかけは、カモミールさんという人がかつていて、その人が出版された本を手に取って「うん。完璧な装丁だ!」と満足げにときどきつぶやいていたのですが、装丁にこだわる人に僕の人生ではまったく会ったことがなく、現在に至るまで、彼女ただ一人だったのですが、それで本の装丁に興味を持ったのです。安く手に入るまで大分待ったのですが、安く買ってよかったとしみじみと思います。
2020/06/29
こはね
本に興味のあるすべての人に読んでもらいたい一冊。正直、間で何度が意識が飛びかけましたが(笑)、内容はとても充実しています。本の作り方、デザイン、タイトルの文字など、必ず目にしているにも拘らずあまり記憶にとどまっていない本のあれやこれを詳しく教えてもらえた気分です。そして、参考文献のリストがすごくいい!興味のある本が多くてそわそわしてしまいました。
2011/07/19
nizimasu
装丁という仕事の流れに加え、装丁かがどのように考えて書籍のデザインをしているかが、わかる本。とにかく、著者が読者につたわるように丁寧な筆致で書いていて人柄が伺えます。電子書籍の時代だからこそ、本を所有する喜びというのが、もっとクローズアップされてもいいのかもしれない
2011/03/08
Koki Miyachi
多和田葉子の「溶ける街、透ける路」の装丁を見て気になった装丁家「桂川潤」が装丁を語る。これを読まない手はないだろうと手に取った。装丁を巡るデザインの流れ、本づくりの基本と制作過程、装丁家になったワケ、著者とのコラボレーションで生まれた様々な仕事の数々。電子ブックを認めながらも、物としての本の持つ身体性や物質性の大切さを語り、その可能性を静かに熱く語る。物づくりの現場の今の時代の共通の課題を提起しながら、ものづくりとしての装丁の姿勢を伝える姿勢に大いに共感した。
2013/12/09
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