ハイブリッド・リーディング 新しい読書と文字学 (叢書セミオトポス)
ハイブリッド・リーディング 新しい読書と文字学 (叢書セミオトポス) / 感想・レビュー
gorgeanalogue
石田+東の『新記号論』(ゲンロン)の露払い的な本でもある。はやくルロワ=グーランに指摘されていた技術と人間の関係が、大きく刷新されるデジタル技術時代の人文知を書物の受容のあり方の変容を通じて問う。阿部卓也の杉浦康平論、スティグレールなどを参照して記号論と、「かく」行為をつなごうとする西兼志「「かくこと」をめぐって」、私とはちょっと意見が違うけど、変体少女文字と顔文字をめぐる大久保美紀「自己表象としての筆致」が面白かった。いろいろなアイディアに満ちている。
2021/12/28
つきもぐら
記号論に興味があったところ書店にて発見。普段このような学術的な本はネットで書評を調べてから購入するのですが、この本はその場で買ってしまいました。専門的なのに読みやすい。いい文章とそうでない文章の差はなにか、といった問いに興味がある方にオススメです。SNSや電子書籍における読書、ネットでの文章の発表などテクノロジーの発展につれて執筆作法は日々更新されていますが、効果的な方法論はそれに追いついていない現代。このような議論をしてくれる書籍はありがたいです。デリダやスティグレールも読んでいきたいと思いました。
2016/12/22
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