心の臨床を哲学する―Philosophy of Psychiatry & Psychology
心の臨床を哲学する―Philosophy of Psychiatry & Psychology / 感想・レビュー
ひろか
精神医学、臨床心理学、哲学のそれぞれの専門家複数による、心の臨床の哲学。簡単な本ではありません。
2020/06/07
ゆうみい
全てをしっかりとは読み込めてはいないのですが、、やっぱりこの分野は面白いと感じさせられる本でした▼「器質的な原因がある精神疾患は神経内科的な疾患になる」のだと、以前お会いした精神科医の先生がおっしゃっていた。とすると、精神疾患とは何なのか? 石原先生の「精神医学…ほど分類の問題に力を注ぎ、悩まされてきた分野は他にない」の言葉が物語っている▼印象深かったのは鈴木氏、南学氏。鈴木氏は症状(心理学)レベルの異常と生物学レベルの異常を分けて、その共存の在り方を考察している。(続く)
2020/07/16
ぼっせぃー
用語の使い方から、ひとつひとつ基礎に立ち返って論じられていて挫けることなく読み進められた。それぞれの論文についての抄録は巻頭に記載があるため、それぞれの印象をメモがわりに。榊原論文:米国レジデント教育を紹介するという導入が強い背骨となって論旨を明確にしている。田所論文:論文末尾の筆者の回答は精神療法家に留まらず多くの医療者が足元を再確認するのに有効なスタンスではと思う。植野論文:‘“心を理解する”行為の再定義あるいは再々々……定義。遠藤論文:発達の偏り、に対して医療が関わるときの内省。
2020/07/22
てんたかく
編者によれば、心の臨床の科学は、単線的な科学的発展が期待される通常科学の分野とは一線を画するゆえに、暗黙の前提を再考する哲学的な思考が重要であるという。本書は多元主義の立場から、精神医学・心理学・哲学の視点からなる多様な論文が集められている。一口に心の病と言っても様々な切り口があるのだなと勉強になった。
2024/05/11
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