ダメ-ジ (ヴィレッジブックス F ハ 1-1)
ダメ-ジ (ヴィレッジブックス F ハ 1-1) / 感想・レビュー
二瓶くん
詩的な表現に満ちているので、全編通して読みやすいとは言い難かったが、膨張に膨張を重ねた男の愛が破裂して以後は非常にスリリングで読みやすかった。 旧時代的な価値観が崩壊した昨今で多い「自分のための人生とは?」を問いかけてくる作品。政略結婚のようにして結ばれた愛も、そのおかげで生まれた子供たちも、主人公は表面的にしか受け入れておらず、内なる欲望は秘められていたのだった。一方主人公と堕ちることになる不倫相手のアンナは人生の痛みを知っているような人物で、言わばファムファタール的人物であった。
2023/07/09
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