航路(下)
航路(下) / 感想・レビュー
ひめありす@灯れ松明の火
ちょっぴりコメディチックだった上巻から打って変わって、下巻はよく見つからない靄の中で何か運命的に引っかかっているもの、をもがきながら探しているような。知らないのに知っている。そんな必死な感じが印象的でした。大変だー!って叫びたくなる位急に面白くなってきた所で、そこから更に吃驚する様な所があって、また最後にまたどんでん返しでそういうメタ認知的な物持ってくるか!と最後の最後まで予断を許さない面白さでした。大海原の直中のようなのが人生。目印など一つも見えぬようでそこにはちゃんとあなたがくれた約束という航路がある
2017/01/31
くさてる
上巻はちょっとじりじりしながら読んだのだけど、下巻からは止まらずに、泣きながら読んだところもいくつか。分かりやすい悲しい場面ではないところで、涙腺を刺激する作家だと思った。どこまでも広がるイメージと、どうしようもない運命と無力感と、この大団円。満足しつつも、ウィリスの手のひらの中で踊らされたような不思議な感覚でもあります。
2017/09/13
シェリー
臨死体験の真相究明に纏わる長い物語、とても興味深く、時にハラハラしながら読み終えました。第3部のジョアンナが面会に来なくなったメイジーが心配で、もどかしい思いでした。章ごとに切り替わるあっち側とこっち側。登場人物も個性豊かで、ラストは心やすらか・・・です。
2017/07/27
やまぶどう
面白かった!文字通りのサイエンス・フィクション。迷路のように入り組んでなかなか目的地に到達できない病院、呼び出しても呼び出しても一向に伝わらないポケベル(な、懐かしい)は、主人公ジョアンナの訪れるその場所のメタファー、そしてその場所こそが臨死体験のメタファーとなり入れ子構造をなす。はかどらない実験が一転してうまく行き始めたと思った瞬間に物語は驚愕の展開を遂げる。ドタバタ怒濤の物語を読みつつ、死、そして死に際した肉体と精神、死に行く人と残された人々の想いに思いを巡せた。長いこと積んでいたことを反省した。
2012/07/15
けろけろ
面白かった!物語はなかなか進まないけど、グイグイ引っ張られ、まさかの展開があり、すべての伏線が収集される。「なるほど、すべてはメタファーなんですね、ブライアリー先生!」ってなった。なんて構成力でしょう!すごい!でも読むなら週末の時間があるときに。じゃないと徹夜するはめになっちゃうからご注意を。
2013/08/01
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