さみしいうさぎ (ヴィレッジブックス edge イ 1-2)
さみしいうさぎ (ヴィレッジブックス edge イ 1-2) / 感想・レビュー
おかだ
うさぎタイトルに釣られましたよ。大学生の遠距離恋愛のお話。離れても自分達は大丈夫だと思っていた、でも淋しさはじわじわと募っていく。ある日、抱きしめ屋のリュウセイに出会い…。抱きしめ屋??ってなるやん。結構パンチある職業だし、もうちょいエグみを効かせてくれても良かったけど、飯田さんは芸風を守ってピュアに突き進んだ模様。「うさぎは淋しいと死ぬ」って何回か出てくるけど、うさぎはそもそも淋しがったりしない。でも体調を崩した時に察してくれる飼い主がいないとすぐ死ぬので、そういう意味ではうさぎは淋しいとホントに死ぬ。
2019/04/25
まきこ.M
さみしいうさぎはここにいる。心の隙間を縫うように気持ちを持て余す時、襲う孤独をうずくまってやりすごす。独りきりで、大好きな人を想って切なくて、そんな発作のように前触れもなく訪れる時を。『抱き締め屋』の龍生はそんな彼女達にそっと触れ抱きしめる。優しく、強く、全ての孤独を包みこんで愛しむようにぬくもりを与える。きっと本当は誰よりもそれを必要としているのは自分なのに。夏希を想い続ける彼が切ない。この淋しさごと愛しいと思える日が来ると願い続けて。きっと寄り添う二人目のうさぎは彼のすぐそこにいると信じているから。
2015/01/26
巨峰
文系・草食系の大学生の女性が主人公。遠距離恋愛をしている彼女。人と騒いだり、コンパなどが苦手で本を読んだり音楽を聴いたりが好きな彼女。そんな彼女が、「抱かせ屋」の青年とであう。青年は1000円で抱擁(のみ)を売っていた。交錯するのは青年の過去と彼女の現在。最後がすこし語りすぎでもう少しあっさりでもいいとは思うけど、それでも、何かが心に染みてくる気がします。いつも思いますが、飯田雪子さんの小説はとてもいい。すごく丁寧に物語を紡いでくれます。
2010/08/11
なつ
想いは距離に勝てるのか。抱きしめ屋のリュウセイが背負った傷。言い出せない気持ちを堪えて、必死で頑張る菜月。そんな菜月を愛しいと思いながらも実家を継ぐために仙台に帰る峻。菜月と峻の遠距離恋愛。じわりときてホロリとしたピュアな恋愛小説。燃え上がるだけが恋愛じゃない。
2015/11/18
なないろ
《借り物》すぐに電話もメールもできるご時世だけど、遠距離ってすごく大変なこと。お金も必要、逢いたいときに逢えなかったり、今電話していいか迷ったり、返信がないと不安だったり…言葉にはできないような大変なことがあるんだろうなと。やっぱり信じる心も大切だけど、顔を見て言葉を交わすことはすごく大事なことなんだなーと改めて感じました。いろんな恋の形が描かれた物語で。『あの人のことが好きな君』への恋はなんて哀しくて優しいんだろう。
2014/08/03
感想・レビューをもっと見る