文化人類学の思考法
文化人類学の思考法 / 感想・レビュー
翔亀
【始原へ1】シリーズ読書【人新世】の分岐で新たなシリーズを始めることとした。一つにはこの始原を探るというテーマは歴史学だけでなく文化人類学に多くの蓄積があるが、どうもこの学問は一筋縄ではいかないことが判ってきたからだ。手始めに最新の(2019年)の入門書の本書。13人の文化人類学者によるこの学問への道案内書だが、これがなかなか良く出来ている。■呪術、贈与、親族と言ったお馴染みのものから、自然、戦争、ケア、市民社会まで13のテーマについてそれぞれ文化人類学者がどう取り組んできたかの成果と課題が語られる。↓
2021/01/09
おさむ
大学で、文化人類学の講義を受けるとき買わされる入門書みたい笑。呪術と科学の関係や贈与から始まる社会性、貨幣の誕生、グローバリゼーションで揺らぐ国民国家など、最近のトレンドは、案外文化人類学なのかなぁと感じる次第。世界思想社の本だから仕方ないけど、もう少し易しくして欲しいな。
2019/12/11
ミライ
文化人類学を学び、教えている13人の執筆者による著書。「あたりまえと思っている」事から外へ出るための学問である文化人類学を通して、さまざまな「常識と思われている」ものに疑問を呈して深掘りし、他の側面から考えてみる手法を提唱する。テクノロジーの進化により、時間の流れがこれまでの何倍にも加速している現代にこそ学ぶべき学問。
2019/04/19
Tenouji
単純に個人的興味の問題ですが、前半は食傷気味のトピック、でも「国家とグローバリゼーション」から俄然面白くなった。自分の興味が、今は、価値と秩序と共同体にあるのがよくわかった。人間は、「想像力」も利用するし、それが「暴力」であっても、恒常性を保とうとする生き物だということ、その恒常性の源泉が何か、ということを探る学問が文化人類学なんだなと納得。
2019/06/12
たつなみそう
文化人類学の思考は面白い。自分が生きている現代という時代が、いかに奇妙で特異なものであるか、を考えさせられる。合理性や科学的であることが当然という思想も、資本主義社会のシステムが生み出している。当たり前を相対化し続ける力は、たぶんまわりの空気や同調圧力に抗するものだ。孤独を恐れず豊かに生きなさい、と叱咤されているすがすがしさがある。
2019/06/06
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