ユリイカ2007年12月臨時増刊号 総特集=BL(ボーイズラブ)スタディーズ
ユリイカ2007年12月臨時増刊号 総特集=BL(ボーイズラブ)スタディーズ / 感想・レビュー
katoyann
著者の1人である藤本純子は、BLを「おもに女性が女性を対象に描いた男性同士の恋愛物語の総称として用いられる言葉」(同書89頁)だとしている。本書はBLに関する研究書であり、対談や評論等を収めている。BLは、〈受〉と〈攻〉に男性性と女性性の両方を混在させるという意味で、性差の抑圧からの自由を志向する娯楽だという(藤本ゆかり論文46頁)。それゆえ一時期はジェンダー研究の中で流行を見たが、同時にゲイ・スタディーズの論客からは、「表象の横奪の問題」(石田仁論文)を指摘されていた。ジェンダーを楽しく学べる一冊だ。
2022/01/16
たまこ
こういった特集で読める作家さんのインタビューが好きです。この特集では内容的にもボリューム的にも草間さかえさんのが充実していて面白かった。漫画を描き始めた頃の話、作風の裏にある背景、絵の技術的な話など。飾らず気負いのないような受け答えの中にも強い職人気質のようなものが窺えて興味深かった。聞き手の質問の質や掘り下げ方もよかったと思う。
2016/10/16
ひるお
『ユリイカ』BL特集第2弾。同年6月の臨時増刊号に続き、2007年のBL/やおい界の動向、7人のBL作家のインタビュー、様々な視点からの論考など、盛りだくさんの内容。やおい論の先行研究のまとめ(金田淳子氏)や、BL/やおいの表象暴力性に関する問題提起(石田仁氏)など、学問分野としてのBL/やおいへの入り口としても親切かつ豊かなつくりになっている。そして巻末の「このBLがすごい!'07」の濃いこと! 愛ある書評・作家評に溢れており、新しい作家・作品に出会うにはぴったりの良きブックガイドになっている。
2018/06/08
マッコリ
一冊まるまるBL特集!読みごたえバツグン!やおい、腐女子論はさらりと読んだだけだけどBL討議や作家さんへのインタビュー、「このBLがすごい'07」がおもしろかった!作家さんそれぞれこだわりが窺えて楽しい。フジョコさんの植毛加工同人誌読んでみたいな(笑)
へいちょー
時々、読み返します。普段、あんまり目にすることのないBL作家さんたちのインタビューが読めて、その人となりを推察するのが楽しい。個人的には、西田東さんのインタビューを読めたのがすごく良かったです。
2012/02/26
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