ユリイカ2011年10月号 特集=現代俳句の新しい波
ユリイカ2011年10月号 特集=現代俳句の新しい波 / 感想・レビュー
マリカ
短歌に比べて俳句は寺山修司の作品しか読んだことがなかったので、近代俳句の特集が気になって購入してみました。私は「俳句のことを分かっていない人」なので千野帽子の「20分で誤解できる近代俳句。」がおもしろかったです。俳句って短いので、短歌と比べて、一字が担うエネルギー密度が高いですね。それゆえ、短歌よりも切れ味が鋭くなるし、余韻も穏やかではないことがありますね。うんうん、だんだん俳句に興味がわいてきました。
2012/01/16
oz
初読。蓮實重彦が映画獣という表現を用いたが、俳人の言語感覚たるや言語獣と呼ぶに相応しいものがある。俳句は小説や詩や短歌とは量的にではなく、質的に異なった言語藝術である。文脈から切断した瞬間の切れ味を競う。言語野に直接訴える短詩=純粋詩、そうした試み(マラルメやパウンドの例)は海外では殆ど受け入れられる土壌を持たなかったが、俳句という鋳型が存在した日本のみが例外だった。現代俳句は先鋭的な短詩型文学なのだ。
2011/10/02
編集A
佐藤雄一さんの俳句の幽霊的リズムが非常におもしろい。子規と虚子を比較しながらデリダを用いて季語の性質である一回性の忘却と反復について書いている。その幽霊的な出会いが俳句の恒常性、時代や世代を越える強靭さを保っているのだという。又吉さんの俳句もよかった。
2011/10/04
mawaji
もちろん俳句に関しては全くの素人なのですが興味がないわけでもなく、たまたまツイッターで目にした本書を購入。川上弘美×千野帽子×堀本裕樹の鼎談はとても面白く、句会ライブに行ってみたくなりました。週刊ブックレビューで「拝復」が神野紗希さんから取り上げられていたこともあり、興味深く池田澄子さんのインタビューを読みつつその句集をアマゾンより購入。千野帽子氏の現代俳句に対する考察は私に向けて書かれているようで、ちょっと難しいところもありましたがたいへん勇気づけられました。俳句に対する敷居がだいぶ低くなった感じです。
2012/02/20
デコボコ
池田澄子さんってこんなに気さくな方だったんですね。千田帽子さんの評論が案外面白かった。 俳句の作品も結構載っていたのだが、「浴衣はいいがなんだその付髭は」とか、面白いけど現代俳句が困難ばっかだって思われたらどうする。 八木千代さんの「まだ言えないが螢の宿はつきとめた」が一番気に入った(上五が字余りだけど)。
2013/05/24
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