ユリイカ 2016年4月号 特集=デヴィッド・ボウイ
ユリイカ 2016年4月号 特集=デヴィッド・ボウイ / 感想・レビュー
井月 奎(いづき けい)
詩の雑誌らしく書かれた言葉は含蓄に富み、思考を促す素晴らしい内容でした。様々な切り口からの文章を読み終えて感じるのは、ボウイの愚直ともいえる優しさです。彼はアメリカ同時多発テロ事件へのベネフィット・コンサートで主催者の「“Heroes”」を演奏してもらいたいという依頼に難色を示します。複雑な背景を持つ悲劇に対して、様々な解釈ができるとはいえ鼓舞を促す歌を歌うことを躊躇したのです。彼が相応しいと判断したのはサイモン&ガーファンクルの「アメリカ」で、包むような柔らかい歌唱と歌詞は優しさと知性の融和です。
2016/11/03
井月 奎(いづき けい)
Bowieの特集です。コメント、エッセイなど多くの思いが寄せられています。どの方もBowieへの深い思いが垣間見えて、悲くも微笑ましいのです。なかでも私の心の奥にとどいたのが、イギー・ポップのインタビューで、彼は茫然自失の様子で、淡々とBowieとの思い出を語るのです。彼は自分より先にBowieが天に召されるとは思っていなかったでしょうし、もしかしたら今でも信じていないのかもしれません。
2016/05/07
マリリン
再読したのは第21回中原中也賞受賞のカニエ・ナハ『用意された食卓』と、選評を中心に58㌻まで。「生まれている人が、存在しない 静かな一日を置く、今覚えておくことを つぎの8月まで覚えておくこと。...今あなたの庭にくる鳥のように、自分自身を清潔に保つこと 火を汚染しないこと 世界のどこかで探している 自分と同じ火...」カニエ氏の『塔』より引用。8月になると、胸騒ぎにも似たざわざわとした不穏な空気を感じる。一人暮らしを始めた頃からだったが、当時は亡くなった祖父の気配なのかと思った。中也の詩中に⇒続く
2018/10/17
阿部義彦
流石ユリイカ、とうりいっぺんのボウイ特集では有りません。何よりもスタイリストの、高橋靖子さんと山本寛斎さんとの昔語りによるボウイのファッションに於ける様々な工夫(歌舞伎の早変わりのための引き抜きの技をデビッドの衣装に苦労して施して大成功を納めた)がフランクに、語られますま(当時の写真に写ったお二人の若々しく美しい事!)少女漫画家によるボウイモデルの美少年に関しても三浦沙良さんが大島弓子を中心考察します。熱量が他の類似特集とは全然ちがいます。それだけ切り口の多いイマジネーション豊かなアーチストでした。
2016/04/13
aloha0307
Bowieの特集を図書館で偶々見つけた。 それぞれ思いのこもった寄稿にホロっとさせられました。Let's DanceだけがBowieでないことを改めて認識。 わたしのfavorite albumは1983年のtonight(本書でも酷評 かなり変わってるでしょ? 苦笑) loving the alien♪から滲み出る宇宙観、neighbor's threat♪の疾走感には凄いものがあると思うんだけどなぁ...
2016/06/04
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