ユリイカ 2020年5月臨時増刊号 総特集◎坪内祐三 1958-2020
ユリイカ 2020年5月臨時増刊号 総特集◎坪内祐三 1958-2020 / 感想・レビュー
阿部義彦
坪内祐三さん追悼の総特集号。あまりにも早すぎです。私ももっと以前より知っておきたかったです。この総特集号の分厚さが、ツボちゃんの、人となり、交友の幅、何よりも人望を物語っております。時間を掛けて楽しませて貰いました。ご冥福をお祈りします。
2020/04/29
Inzaghico (Etsuko Oshita)
大阪とツボちゃんとのつながりを特集をした項で、ぴあ関西版にコラムを書いていたことを知る(前にもそう読んだ気もするが、ここまで詳しい情報がなかったので、頭に残らなかった)。次に聖地詣でするときには、ツボちゃんの定宿だったホテルアンビエント堂島に泊まり、なんばん古書街に行こう、と思ったら、どちらももうないのか……。ネスパというレストランはまだあるのだろうか。ツボちゃんもNGKに足を運んでいた、と知り、嬉しい。そしてぴあ関西版の連載をまとめた『まぼろしの大阪』と『大阪おもい』を早速注文した。
2021/08/21
ミスター
坪内祐三に影響を受けていたのがわかって、とても悲しくなった。自分に影響を与えた批評家は西部邁や絓秀実がいるけれども、彼らから学んだのは現実を歪ませる「批判」の作法だが、坪内祐三からはむしろ現実を受け入れることを学んだ。その意味で浅羽通明の坪内祐三論は面白かった。フィクションの構造よりも人間の網の目をディテールとして扱い書物を編み込むあり方は坪内祐三に『荒御霊』を見る絓秀実の論考とどこか重なる。『荒御霊』は柳田的には国家神道イデオロギーを覆す先祖崇拝の事を指していた。ディティールとは先祖崇拝のことだろう。
2020/07/25
justdon'taskmewhatitwas
追悼号を積読放置するのは甚だ不遜だと気づく②。故人を知ったのは『たまもの』のボコボコの真影。魅かれて読んだその著作は、今迄(他のものでは)埋まらず残っていた自分の中の凹みにスポッと収まった。この本では、執筆陣の回想に出てくる挿話逸話が重なり合って、故人好みの"ゴシップ的"探究衝動がドライブする。
2022/07/20
あまたあるほし
坪内祐三は、毎月、毎週、そこにいた。 いま、いくらページをめくっても坪内祐三はいない。 穴も埋められていない。
2020/04/15
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