現代思想2012年6月号 特集=尊厳死は誰のものか 終末期医療のリアル
現代思想2012年6月号 特集=尊厳死は誰のものか 終末期医療のリアル / 感想・レビュー
ヒナコ
2009年に法改正された臓器移植法に続いて、当時提出されようとしていた尊厳死の法制化を受けて組まれた特集――尊厳死は誰のものか 終末期医療のリアル――を読むために購入。 カズオ・イシグロの『わたしを離さないで』についての大谷いづみの批評や、臨床医の立場から終末期医療を論じた佐々木淳のテキストや、山本眞理の精神障害当事者からの異議申し立てが、特に印象的だった。また、「尊厳死法における生権力の作動」と題された小松美彦と市野川容考の対談は非常に触発的だった。→
2021/05/09
ゆるこ
最後まで読み終わった後、感想を整理しようとしてたら、坂口恭平さんがツイッターでつぶやいていた言葉を発見。「今回、いのちの電話をはじめて、何回か『死にたい人は死なせておけ。余計なことするな』という不思議な電話がかかってきました。(後略)」。 尊厳ある生を生かすための法もシステムも未整備な中で、「尊厳死」だけを法で認めようとする動きには、この「不思議な助言」に繋がるものを感じる。
2012/07/17
A
医療や福祉が十分でない今の状況で、尊厳死(消極的安楽死)を法制化すると、患者の自己決定は、生きる方向ではなく、死ぬ方向に傾倒していくのではないかという危惧と、尊厳死法制化のあとには、積極的安楽死やそれに伴う臓器移植へと方法が拡大し、また対象者も末期患者から認知症高齢者や障碍者へと拡大していく「すべり坂現象」が起きる危険性から、本誌は尊厳死法制化に対して批判的な論調。尊厳死自体は、医療の現場ではもう既にガイドラインに沿って行われているらしいけど、それを法制化すべきかどうかは自分にはよく分からない。
2015/05/30
КИТАРУ МУРАКАМУ
冒頭の「生きのびるための、女子会がよい。」が読みやすくて、よい。身に染みた経験から、こぼれ落ちる言葉に、あたたかみをかんじる。
2012/06/13
竜崎
安楽死・尊厳死には批判的な論調。
2013/06/29
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