現代思想 2014年5月臨時増刊号 総特集◎折口信夫
現代思想 2014年5月臨時増刊号 総特集◎折口信夫 / 感想・レビュー
yutaro sata
折口さんのことをはっきり嫌いな人も入っているのが面白い。
2022/08/20
うえ
論考集。持田は「歌が批評のための資材にえらばれることはなかった。近代の知識人のおおむねは西欧の学芸の論理をえらび、歌への愛を周縁的な要素、教養の範囲内にとどめた」ことを指摘する。岡野は、自ら国学院でありながら影響を受けたのは主に慶応の先輩達であることを述べ、私の仮説を確かなものにしてくれた。斎藤は折口の招魂論が論者によって「正反対となるような読み方が生じてくる」ことを指摘する。長谷川は、日本文学は「日本民族の生活」が作ったもので「日本の民族性格」が作ったわけではないという折口の指摘に注目する。
2019/09/01
リッキーまち子
最後の江川純一氏の論考は宗教学をまるで知らない自分にとってはかなり親切に感じられよかった。気になったのは村井紀。1987年の現代思想折口特集も読んだところ、当時は批判的だがまだ比較的冷静に折口を見ていた。しかし、今回はひどい。死者の書に対する評価が「わけのわからぬ」の一言のみ。約30年のときをへていまはもう思考を完全に放棄している。「教師は生徒を戦争に送り出した。その戦争責任を果たしていない」など、病的な破綻を感じる。柄谷行人が一時フックアップしていた村井を見放した理由がよく解った。
2015/08/04
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