現代思想 2015年2月臨時増刊号 総特集◎網野善彦 無縁・悪党・「日本」への問い
現代思想 2015年2月臨時増刊号 総特集◎網野善彦 無縁・悪党・「日本」への問い / 感想・レビュー
marco
世界のことを憂えていたら日本に目がいき、日本について考えていたら網野善彦に行き着いた。中世を画期とし、悪党や百姓、天皇について新たな光をあてた網野氏の偉業を知るにはもってこいの雑誌。中世を現在の問題につながる歴史的現在として語ろうとした網野氏。長い時間がかかるとしても読みつづけていこう。
2016/05/07
かんがく
多分野の研究者による網野論の集成であり、網野の扱った対象の多様性がよくわかった。国家、身分、ジェンダー、自由、資本主義など網野の議論を現代社会の理解に活かすことの可能性を考える。網野を入口にして、石母田らの中世史学と、折口らの民俗学も深く学んでいきたい。
2021/06/09
moonanddai
(いわゆる)「網野史学」が様々に論じられて、面白かった。五木寛之と(網野氏の甥である)中沢新一との対談で、改めて感じたキーワード、無縁とは「切る、切れる」そして五木氏のよく使う「デラシネ」。そして(網野氏のいう)「はずれ者」とはマツコ・デラックス論。「差別されているから笑われてるんだ」「アタシはヒエラルキー…の中にすらいない…『部外者』」「男も女も敵同士…その点オカマは…悪い言い方をすれば仲間外れ」。ちょっと引用が長くなってしまいましたが、一目置かれるが差別される、当時の「河原者」のイメージが湧きます。
2024/01/01
oyoide
網野善彦氏について、人なり、功績なり、著書なりを知る際の総合的な手がかりになる本でした。 様々な方々の論考がある中、安冨歩氏の、マツコデラックス氏を現代の「無縁者」とした考察が、「無縁」の実在を実感できて秀逸でした。
2020/09/27
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