現代思想2022年7月号 特集=「加害者」を考える -臨床・司法・倫理-
現代思想2022年7月号 特集=「加害者」を考える -臨床・司法・倫理- / 感想・レビュー
おおかみ
「加害者」というテーマは一見分かりにくいが(小松原織香 を目玉に置きたかったためと思われる)、司法のみならず医療や福祉からの論考、メディア論に物語論などなど、幅広いアプローチで自由闊達に展開していて、そのことが面白い。隣り合いながら正反対のことを主張している論文すらある。直近の事件の引用も多く、時事的な理解にも大いに役立った。
2022/10/16
モルテン
どの論考も興味深く読んだ。最初の対談の、被害者体験と学術をつなげる可能性の有無の話の後の、信田さよ子さんの論考、加害に関するカテゴリーの部分にガツンとインパクトを受けた。最初に壮大な話が来たので、後の論考もすべて信田さんの論文に含まれていくような気さえした。もちろん、それぞれ大変面白く、新たな発見が多々あった。すべてを読んだ後に最初の対談に戻ると、やはり個別の話から学術に結び付けるには多くのケースとそれによって演繹される結論が必要で、個別の被害体験から学術に結び付けるのは相当な困難があるだろうこと。
2023/03/31
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