江戸にフランス革命を
江戸にフランス革命を / 感想・レビュー
amanon
とにかく「江戸はなぜ難解か?」を読むのが辛かった(苦笑)。最初はわりに興味深く読めるのだけれど、終盤になると殆ど苦行。江戸についての細かい分析が延々と述べられると、しまいには食傷気味に。ただ、江戸のなんたるかはこの文章だけでかなりイメージがつかめるけれど。また、一般的なイメージと違って、江戸時代はそれ程遠い昔ではないということが、本書を読めばよく分かる。とりわけ江戸明治を生きた浮世絵師芳年の経歴に顕著である。それにしてもこれだけ画期的と思われる江戸論に対して、アカデミズムはどう反応したのかが気になる…
2019/04/09
koheinet608
橋本治氏は、①江戸→明治での、 日本語の断絶、そして②敗戦→戦後 での、これまた日本語の断絶を 深く理解し、その断絶を繋げるような仕事をした。この著作もそう。 現代日本人の 「歴史(過去)に繋がっていないデタラメな感覚」を非常に危惧したんだろうと思う。 また、破滅するような「選択≒自滅」をするっていう確信があって、「もう次はないよ」という実感があったんだと思う。氏は、ひたすら優しい。 『桃尻娘』から古典の現代語訳 まで、多くの作品を残した。 ほんと、惜しい人が、もういない。
2023/10/14
iwasabi47
近代は野暮といいながらも、近代=野暮=啓蒙の人だとおもう。そして胸先三寸に突きつける。『てめえはどうなんだい』
2021/10/14
とんび
歌舞伎と浮世絵を軸に、江戸を大量に語ったエッセイ集。タイトルは明治維新も含めて市民革命というものは江戸に存在しなかった、ということの裏返し。
2011/07/14
かにこっこ
井上安治の絵、いいですね…まだ自分の絵を掴みあぐねているユトリロといった趣。んでオチは源内のアレかい。町人文化から革命が生まれる余地はない(なぜなら江戸の文化は思想からではなく様式からはじまるからだ)からこそ、江戸は近代へ続いてはいかなかった。まあ橋本治がひたすら近代嫌いなことはわかりました。町人文化、社会政治に実に無責任であるところとか、最近のオタクカルチャーとかなり親和性がある気がしますが。
2020/04/27
感想・レビューをもっと見る