ジョルジュ大尉の手帳
ジョルジュ大尉の手帳 / 感想・レビュー
syaori
映画監督のジャン・ルノワールが70歳のときに書いた小説です。ジョルジュ大尉の手帳から彼の人生を追うという内容になっています。最初、大尉の属するブルジョワでの生活がベル・エポックの時代を背景に描かれます。乳母との別れ、犬や馬への静かな愛情、父の愛人だった娼婦との逢引などを経験した後、大尉は軍隊に入り、娼婦のアニェスと出会います。彼女との恋とその破綻が物語の中心です。ブルジョワの駆け引き的なものとは違うアニェスとの恋は、彼女の単純なゆえの美しさとでも言うべきものが印象的で、甘美な余韻とともに心に残りました。
2016/03/02
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