描かれた身体
描かれた身体 / 感想・レビュー
午後
今は肖像画に興味があるので、「顔」の章を特に熱心に読んだ。葬儀用肖像、ミイラ肖像画、デスマスクについて。故人の面影を留め、生き生きと再現することを目的とした、永遠への願いの滲んだ肖像画。ヴィラール・ド・オヌクールの画帳や、「解剖学の天使」など、非常に興味深い作例がいくつも挙げられていて、調べたいことがたくさん増えた。
2021/12/21
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屍体狩人小池寿子が見た生身の身体図像(屍体も出て来るけど)。「手」の章が特に面白かった。「言葉」としての手。デューラーの手(左手の鏡像を右手として描いている、というのに「あっ」となった。ちょっと考えてみれば右利きなら当然のことなんだけど)。この人の本が自分にとって面白いのは、絵を「読む」にあたってまず絵を「見る」ところからはじまっている、のは当然のこととしても、最後まで「見て」いる上で「読んで」いるからだと何となく思った。
2012/02/18
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