網状言論F改: ポストモダン・オタク・セクシュアリティ
網状言論F改: ポストモダン・オタク・セクシュアリティ / 感想・レビュー
ころこ
前半がシンポジウムだが時間切れで個人の発表だけ、後半が別日に仕切り直しの鼎談となっている。メインであるはずの前半は読み辛く、後半は何が論点か分かり辛いが全体が把握しやすい。何をどの位の深度で考えるか、それをどこまで読者が整理して理解するか難しい。アニメやマンガに何をみるかそこまで考えて読まないよと頭をよぎる。前半の人数がやたらと多く、後半は人数が絞られてしまっていて文脈は途切れる。この失敗が現在のゲンロンカフェのノウハウにつながっているのだろう。当時の人気作品を語っているかと思いきや、現在でいえばルッキズ
2024/11/07
ヤギ郎
斎藤環『戦闘美少女の精神分析』から東浩紀『動物化するポストモダン』を橋渡しする対談と論文集。対談はもっぱら斎藤対東で展開されているけれど、その間に小谷真理がするどい指摘をしていて読んでいて楽しい。2000年代へ入った頃の論壇の雰囲気がが味わえる。『戦闘美少女の精神分析』と『動物化するポストモダン』を読み解く手がかりになる一冊。
2019/11/02
阿部義彦
東浩紀の編んだポストモダン、オタク、セクシュアリティに関するディスカッシヨン。永山薫、斉藤環、伊藤剛、竹熊健太郎、小谷真理など。やはりアニメは苦手なので理解不能の話題があって良く理解出来た自信なし。唯一ヘンリー・ダーガの話だけついて行けて考える事多かった。このへんは自分的には分からなくていいや!と割り切る事にします。
2016/06/01
Sakana
パラパラ読めばいいワと思い、息抜きのために開いたのだが、思いの外おもしろく、ページを捲る指がとまらなかった。私は、近年のサブカルチャー・ムーヴメントに関心があるのだけれど、それを知るためには、それの根源というべきオタク論議を読み解く必要がある。私が興味があるのは、その「オタク」をめぐる抑圧の構図…つまり、ワンピースやナルトが好きだと公言する人が、それと同時に「オタクってどうよ」というような態度がとれてしまう社会の構図が、とても抑圧的に読めてしまうからだ。私はこういうのが大好きなのね。ホント、脱構築したい。
2015/06/13
袖崎いたる
東浩紀の「動物」が深まる。斎藤環との掛け合いが面白い。小谷真理という人はフェミ特有の鋭利な感じがして、それは主に東さん向かうんだけど、斎藤さんの「精神分析」よりも、なんというかキワドイ。クローゼットを開けさせ(ようとす?)る言説というか。精神分析はその点倫理を感じる。鼎談のときの東浩紀と斎藤環のラカン理論をめぐる議論は楽しかった。OSとPSならOSの側に動物の問題意識はあるんだ、ってね。
2022/11/26
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