さまよえる影
さまよえる影 / 感想・レビュー
多聞
「影」にまつわる断章。ランダムに配置された博覧強記の数々の内部に、多様な形をした無数の影が潜む。おそらく、私たちが歩んできた歴史と共にあり、現在もすぐそばに在る影の本質を理解することなくして陰翳を礼讃するのは愚かなのかもしれない。影ハ何処ニアリヤ? の問いに向かい合わなければならない。
2013/03/12
いやしの本棚
クープラン「さまよえる影」を聴きつつ読了。といっても、著者の教養が広く深すぎて、まったく咀嚼できていない。ほんとうに短い一章もあれば、「ソフィイウスの最期」のような物語もある。惹かれるけれど、まだまだこの文章の魅力を汲み尽せていないので、何度でも読み返さないといけないし、それが楽しみでもある。
2016/02/14
吟遊
物憂いバタイユ
2018/12/24
manifestus_
薄っぺらい自然志向なるものを標榜した記事で陰翳礼讃がもてはやされるが、キニャールの断章「影」を刮目してほしい。谷崎潤一郎の美的立場は、終生断固として反自然主義者だった。
2012/10/13
ひろゆき
小説でもなく詩でもなく、随想でもなく。これは読了困難かもと思ったが、なんとか。切れ切れの断章だが、それなりの連続性があり、意味不明の箇所もあるのだが、追うことができた。魅力ある文章のおかげもあるかな。谷崎潤一郎など様々な作家思想家に触れていて、博学にいたく感心。
2017/07/07
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