映画の魔
映画の魔 / 感想・レビュー
犬猫うさぎ
新しい映画作りとは、何か目新しいことをやってみせるのではなく、出来ることと出来ないことが当たり前のように分別されるシステムに対して、何故、こうであってはいけなかったのか?と問うことから出発するのだ。
2021/05/26
De PalmaX
作家の自意識や自己愛、映画やジャンルの"外側"へ裂け目を作ることに腐心する映画製作者の奮闘っぷりが凄まじい、ある種の思想書のような一冊。一度読んで噛み砕けるものではなく、何度も読み返し思考をし続けるように要請されるようなヘビーさがある。更に文量が多いので疲れます…。しかし面白かった。
2021/04/17
たこ
『映画の生体解剖』にも見られた著者の映画に対する造詣の深さに圧倒された。一部脚本家として関わった作品(リング・女優霊他)の裏話も読めて満足。ホラーやサスペンスなど映画に出てくる『怖さ』に対する独自の見解も読んでて面白かった。
2016/06/09
_Stroszek
「狂気は論理であり、論理は構造が運動している、ということ」(大意, 99)、「宇宙から音が響いてきたらヤバイ」(『ディープ・インパクト』評, 137)、「虐待の果てに犠牲者は人形の相貌を獲得する」(252)、「『自主映画』とは、いわば言語秩序の外側にあるモノ」、「『シネマ』を愛するとは、ひっきょう『シネマ』を愛している自分を愛しているだけだという巧緻なカラクリを突き破るモノ」等、刺激的な言説に満ちている。映画美学校での講義メモは、創作者の立場から発せられたこの上なく精緻かつ明晰な作劇上の心得集である。
2010/09/12
h
再々々読
2010/08/19
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