チェ-ホフの戦争
チェ-ホフの戦争 / 感想・レビュー
あなた
ワーニャのだるい身体とロパーヒンの加速する身体という身体論が秀逸。たしかに規律訓練化したモダンな垂直する身体に、寺山のようなアングラでポストモダンなぐにゃぐにゃした身体を脱領域化するところにワーニャ・ロパーヒンの身体はある。でも。全体的に読みが浅く、不満足。劇作家が読むと、どうなるかが本書の眼目だからしかたないか
2009/08/04
watershed
強引に読み込みしていくのが面白い。この本では政治が生に直接結び付いている。 「かもめ」では、連合赤軍、フェミニズム、自分探し、男女間のコミュニケーション不全と展開する。ドラマツルギーと女優の関係。戯曲の解説が社会の読解に繋がり、両者に共通する肉体を通じて演じられることが顕かになる。「ワーニャ叔父さん」では同い年の石破防衛庁長官から戦後政治へ。最後は来るべき戦争への不安、それは戦闘行為よりむしろ生活へ侵食してくる戦時体制である。
2015/11/29
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