(H)ear: ポスト・サイレンスの諸相
(H)ear: ポスト・サイレンスの諸相 / 感想・レビュー
保山ひャン
サウンド=アート、池田亮司、高橋悠治、スタン・ブラッケージ、小林秀雄。ほとんど聞き取れないロウアーケース・サウンドなど、聴くことについての考察の行き着く先は、ベンヤミンの純粋言語。小林秀雄の批評における、「遭遇の演戯」は、ついやってしまいがちなので、もうちょっと意識的になろう、とか、音楽とは別のところで身のひきしまる思いもした。
2015/12/11
鯨、或は山田
聞くことを、聴取のみならず、体感するものとして捉え直す批評の試み。音響というだけではなく、その環境それ自体を受容する感覚とした時に、空気の振動としての音は観客にどう作用するのか。どのような態度で臨むべきなのか。
2014/11/09
roaming_south
1章などで紹介されている曲や詩は、そのジャンルではそこそこ有名なものが多く、ubuやyoutubeでも簡単に手に入る素敵な時代なので、もっと読まれても良いと思う。
2012/02/24
寺基千里
「音楽を聴くこととはどういうことか?」「どこからが音楽になり得るのか?」というように、聴覚体験の根源を作品や、アーティストのインタビュー、はたまた批評から問う筆者の視点を知ることで、何となく音楽に触れるこの感覚にちょっとだけメスを入れられたような感覚がする。その「何となく」にツッコミを入れなくても音楽を楽しむことは可能だけれど、その一歩を踏み込むことで、今まで自分の好みに合わなかった作品も少しだけ見え方が変わるのかもしれない。
2024/05/15
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