にほんごの話
にほんごの話 / 感想・レビュー
寛生
【図書館】今年、所謂「心に残った」本の一つなのは間違いなし。この本が僕を見つけてくれたんだろう。対話談ーあまり好まないのですが、やはり二人が詩人だけあって「深い」ものがこの本に現れている。最も谷川が深層心理の部分で、「いる」からかな?凄い対話本です。教師になろうとしている人、教師の人、「言語」を本気で考えている人たち、詩人、哲学者、言語学者、心理学者、精神分析家、恋をしている人、疲れている人達ーみんなに読んでほしい本。「何か」をさらにさぐりだされたような気がする。それだけ、谷川はすごいというしかない。
2013/12/11
ユーユーテイン
図書館で見つけ、谷川俊太郎さんの考えを聞きたくて読んだ。本書は対談本で、お相手は詩人の和合亮一氏。この時、谷川さんはおいくつだったのだろう?さらりと軽く語っているのだが、選ぶ言葉が気が利いていて、深い。旨みがある。詩人同士の対談で話題が次から次へと出てくるが、興味深かったのは、谷川さんの父上が小林秀雄と「さらっと三角関係」だったこと、谷川さんは定型のリズムを重視していること、オノマトペの効用、三好達治の詩は洗練された日本語、詩は希望を語るより「苦味を甘く」表現する、などの話である。
2014/07/12
けんとまん1007
谷川さんと和合さん、共に、大好きな詩人。詩人であり、その枠を超えているお二人でもある。”にほんご”というところがミソ。言葉、それ以前の音声、オノマトペ、内なる子どもの存在など、話題は拡がる。今、この国で詩がおかれた位置・状況を考えると、今のこの国の文化状況や、今後の見通しなどもたつ。そんなことまで考えてしまう。やはり、谷川さんは谷川さん以外の何者でもなく、数少ない、羅針盤となる人ではないだろうか。
2014/05/31
仮名
詩人二人による「にほんご」についての対談。谷川さんは前に教科書を作ったことがあったのか。教科名を「国語」でなく「日本語」にすべき、というのはもっともだと思った。生活するために詩を書いた、と谷川さんが強調する話や、最近の若者言葉をどう思うか、など興味を誘う話が他にもたくさん。和合さんの詩は読んだことなかったが、今度探してみよう。本の中に著者のプロフィールが載ってないのが少し不満。
2011/12/15
のむ
谷川俊太郎というひとを、勝手に「口を開けば詩が出てくる妖怪」のように思っていたのだが、どうも実際は詩人の中でもとりわけ地に足ついた職業詩人であったらしい。「良い詩よりも売れる詩を書いてきた」という旨の発言にはびっくり。でもだからこそ、書きたいものを書ききってしまったり書ききれなくて苦しんだりで詩作を辞めるということがなかったんだろう。そして職業詩人であっても(だからこそ?)、ことばに対する洞察は深い。教科書論にしても、教科書で「なんだ、詩なんてこんなもんか」と侮られてしまっては商売上がったりだしね……。
2017/08/01
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