KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

神話が考える ネットワーク社会の文化論

神話が考える ネットワーク社会の文化論

神話が考える ネットワーク社会の文化論

作家
福嶋亮大
出版社
青土社
発売日
2010-03-25
ISBN
9784791765270
amazonで購入する

神話が考える ネットワーク社会の文化論 / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

Ecriture

息抜きにと思って購入したが、思っていたよりもずっと楽しい読書になった。人間という演算装置が社会の複雑性を縮減するべく神話を夢見、逆に神話に夢見られるというのは何世紀も続いてきたそれこそ一つの神話。著者はそういった神話というモチーフ・神話素の反復を、技術・情報・文化環境の変遷を捉えながら実に魅力的でオリジナルな差異の織り込まれた新たな神話(の一つ)として提出することに成功している。

2010/05/22

第9846号

一気読みしました。まず題目「神話が考える」ということで、作者は主体(人)でなく外界が考えると言ってます。内容ですが、神話は情報処理を行う際の方程式と定義づけています。対象は遠野物語から村上春樹・ガンダムまで、これらの作品を情報処理過程として捉え、神話という方程式を通して、神話素を引き出そうと試みている様に感じました。で、人ですが固定化された主体ではなく、情報(文化)処理過程のノードとして、統合したり分散したりを繰り返す存在、とのことでした。

2010/10/30

白義

現代社会における文化、神話のシステム論的役割を追及した本。柳田民俗学から東方、春樹に西尾維新まで取り扱う対象が多彩だが、論旨には相当一貫性がある。データベースと物語、人間の関係など東浩紀図式の優等生と言った感じだが、最終的に目指す試みはなかなか大きい。特にキャロル論が面白かったが私の読み込み不足の感があるのでまた再読したい。鈴木謙介もそうだが、ここまでくるとマーケティング論的ビジネス書としても使えると思う。ただ、神話の内在的読みなどは射程外なので宗教論とは違うだろうな

2011/03/16

里馬

ほうほう、ふむふむとフルスロットルで読み走ってしまったので【要再読】  精読して「が」である所以を把握したい。結論として、これが今読みたい本だった。

2010/11/12

鷹図

大変な労作だが、分かったような分からないような印象も持った。それは「神話」という装置の見立てと扱い方に、ある種の無謬性を感じ、用いる事象の散漫さと相俟って論のイメージを掴めなかった点にある。また個人的には好ましかったが、この安定感に隠れた保守性も評価を分けるだろうと思った。良くも悪くも広範な事象をカバーした本書を理解するには、一読しただけでは不可能。二度三度の精読の要を感じた。あと他の人も書いているけど、ターゲットを絞った作家論を読んでみたいと思った。

2010/11/01

感想・レビューをもっと見る