古代研究 列島の神話・文化・言語
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古代研究 列島の神話・文化・言語 / 感想・レビュー
むっち
新聞書評から興味をもって、図書館で借りる。古事記研究者として、古代日本が、オオキミや、オグヌシなどの地方毎に勢力が渦巻く世界であり、神話はそうした反映であるという今では当たり前の意識を再度、呼び覚ましてくれる。古事記のいざなぎいざなみの最初のまぐわいを失敗として記述することの意味をどう考えるのかといったことや、人身御供によって川の神を鎮めるという話と機知によって(知識)によって人身御供から逃れるのは朝鮮からの技術や知識の導入による自然克服の比喩であるが、それらが同じ時期に混在しているといった話など大変興味
2013/01/30
メルセ・ひすい
古事記はかなりうさんくさい書物である。であるから面白い。古事記の言葉を追いかけていると、その表現の奥に引き込まれてしまう。結局いつの間にやら脇道へ迷い込む。いろんなことが見えたような気がするが、見えなくなってしまうのである。遠く時代をさかのぼり、日本を北へ西へ放浪し、古事記から放り出された旅の記録なのだ。河童の起源、ミトノマグハヒの秘密、埴輪と殉死の関係…。日本を代表する古事記研究の第一人者が、言語や民話あるいは祭祀、伝説までを精緻に研究し、太古の列島の姿をあざやかに描き出す。15本の論考を収録。
2012/12/06
N.T
語られ、書かれ、描かれた古代を丁寧に鮮やかに読み解く良書。人柱と殉死の論考が印象的だった。
2013/02/04
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