高畑勲の世界
高畑勲の世界 / 感想・レビュー
さらば火野正平・寺
私はアニメ映画をほとんど見ないので、著者が小谷野敦でなかったら読まなかったであろう本。しかし読み始めるとなかなか面白い。ただ、これを読むと高畑勲がそんなに優れた作家だと思えないのも事実。宮崎駿の方が優秀に思える。世界名作劇場やロボットアニメの話は懐かしくて、幼少時代の色んな事が思い出された。ウルトラマン本も読みたくなった。風の谷のナウシカは一度見てみよう。
2013/07/31
akihiko810/アカウント移行中
小谷野による、ジブリの高畑勲の評論。印象度B 小谷野にアニメのイメージはないが、ジブリ作品だけでなくヤマトやエヴァまで通過してきたらしい。 本書は高畑評だが、脇道が多く、高畑について体系的には学べない。あらかじめ高畑についてそれなりに知っている人向けの本。要は大した内容がない…。この本で面白いのは、高畑についてでなくガンダムの冨野について語るとき。「嫉妬とルサンチマン」を原動力とする冨野には共感、というか同類だから筆が進むのだろう。高畑論でなく冨野論を書くべきだった。
2024/10/11
ぐうぐう
宮崎駿の評論本が山のように出ているのに比べ、高畑勲関連書籍があまりに少ないことは、以前から不満ではあった。著者も同じように感じていたらしく、ならば自分がとの思いで書き始めたのだという。左翼思想と西洋への憧れという高畑の精神のありようから、高畑作品を解読していこうと試みるのだが、それが説得力を持った論になっているかといえば、心許ない。自身のアニメファン史としての思い出語りが、散漫さを助長もしている。ところが、あくまでアニメファンとしての潔いその語りが、奇妙な好感を与えているのも事実だ。(つづく)
2013/11/05
モリータ
◆2013年刊。◆授業で『火垂るの墓』を扱い、『かぐや姫の物語』を観たので補いに。◆教育者だった父/『ホルス』の失敗/「不必要に生真面目」/◆仏文や美術、宮澤賢治への造詣に対して凡庸な環境・政治・戦争論◆著者の『かぐや姫の物語』論: https://jun-jun1965.hatenablog.com/entry/20170215
2023/02/09
kokada_jnet
ほぼ同時刊行の『ウルトラマンがいた時代』が特撮語りで、こちらは、高畑・宮崎作品を中心にした、猫猫先生風アニメ語り。「戦後児童文学/世界名作劇場」論や、高畑・宮崎の左翼性の分析など、私は面白く読んだが。ツッコまれないように、もう少し慎重に、事実確認して執筆したほうがよかったような…。
2013/04/14
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