「AV女優」の社会学 なぜ彼女たちは饒舌に自らを語るのか
「AV女優」の社会学 なぜ彼女たちは饒舌に自らを語るのか / 感想・レビュー
どんぐり
永沢光雄の『AV女優』、中村淳彦の『名前のない女たち』と、これまでAV女優ヘのインタビューに基づく語りを中心に置いたものを読み継いできた。今回の本は「彼女たちが語りを通じて、“AVへの明確な意志を持ち、自分についていきいきと語る”姿としてメディアに表出されるのはどうしてだろうか」という社会学の視点に立った問いである。このことに解を求めることが、性の商品化の現場において何ほどの意義があるのか理解できかなかった。結局AV女優になる、性を商品化して得るのは金だろう。このことに少しは踏み込んでほしかった。
2014/08/05
mazda
単体もので出られなくなった人は企画ものに出ざるを得ないようですが、当然のごとく収入は減ってしまいます。それまで週2回くらいで、と思って生活設計を立てていても、日数を増やさないと思ったような収入が得られないようです。このため、学校や仕事、バイトを辞めざるを得ないこともあるようで、片手間で儲けようとしていた思惑から外れてしまうようです。出演している人たちのレベルも高いので、どうやって差別化を図るのかも難しい課題でしょう。どこの世界も、楽に儲けることはできないんですね…。
2018/06/07
魚京童!
いいのかわるいのかわからんけど、まじめでつまらん。
2016/06/20
mit
元日経記者で元AV女優の鈴木涼美=佐藤るりが、慶應大学でのレポートから東大での修論とした内容を基に書籍化したもの。話題になったから読んでみたという話はあまり聞かず、確かに論文臭い議論が読みにくい。著者は今までのセックスワーク論などが、日常から地続きの世界で性を商品化する東京の女の子たちの意識と乖離していると言う。AV女優達が饒舌に自分語りする理由を、その職業・キャリアの構造や、社会的、内面的な問題から解読する部分は説得力がある。本人の自分語りを聞きたいところだが、そんなことはしそうにない、なかなかの曲者。
2014/10/11
サイバーパンツ
多くのAV女優は、面接という場で自らを「語る」ことによって、始めは曖昧だった動機を確固たるものしていく。彼女たちは「語り」という儀式を経ることで、自己を獲得し、AV女優になるのだ。この過程を描いていく様や、AVの細かな内部事情が知れるのは、素直に面白い。しかし、それはルポ本としてであって、本書のどこが社会学なのかはよく分からない。性の商品化のキラキラしたところを書くことで、AV女優という職業に抱く悪いイメージを少しでも払拭することが目的だろうから、それでいいのかもしれないが。
2017/01/07
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