ワインの染みがついたノートからの断片 -未収録+未公開作品集-
ワインの染みがついたノートからの断片 -未収録+未公開作品集- / 感想・レビュー
ケイ
一度さっと読んで魅力がどこにあるかわからず、何編かを再読した。結果として、私はこの作家とは肌が合わないなと思う。エリート作家ではなく、身体もめちゃくちゃだったがのちに作家となったアメリカ人しては、トム・ジョーンズはすごく好きだが、ブロウスキーには読んで同調できるところが少ない。彼の苦しさより、甘えのようなものを感じるのかもしれない。『長ったらしい…』は、なかなかいいなと思ったけれど、あとの大半は、果たして本人が世間に読まれることを望んで書いたのかしらと思わないでもない。これは死後に編纂されたものだから。
2016/10/23
Christena
チャールズ・ブコウスキーの未収録+未公開作品集ということですが、実はこの作家のことは知らなくて、タイトルと装丁が魅力的だったので読んでみた本です。この名前でアメリカ人。詩人であり作家である彼は、毎日ビールを呆れるほど飲み、クラシック音楽を愛する。カトリック教会にはとっくに行くのをやめてしまった。収入もなく書くためのタイプライターまで質屋に取られる始末。しかし、どん底な人生を描いた彼の作品は、不思議と魅力的でした。「私は言葉に酔う必要があった、そうすれば酒のボトルに手を伸ばさずに済む。」
2016/10/08
arekcey
似たり寄ったりのエッセイと散文の集積。ちびちび読んでいるとどうしても、どれを読んでどれを読んでいないのか定かではなくなる。そして、改めて単行本の頭から末尾まで通しての読了。「スケベ親父の手記」で静かにグルーヴを温めてからの「師と出会う」がハイライト。所謂「チナスキーもの」の中でジョン・バンテ≒ジョン・ファンテに会いに行く章がハイライト。 チナスキーの師匠の、部分的に偏ったイデオロギーをも慈しむブコウスキーの、もののあわれ。 何はともあれ、あ、鬱が来たなと思ったら、ブコウスキーを手に取ろう。そんな一冊
2020/12/03
りょうけん
本書わ昨年(2016年)11月、翻訳者中川五郎氏のライブ会場(美濃加茂本屋ワンダーランド)で氏本人から買い購めた。 五郎さんが「訳者解説」に書いて有ることが大変に良い。 以下文意のみ。「"訳者注釈"をほとんど省きました。これは手を抜いたというわけでは無く、今時は解らない言葉が出てくれば必要に応じてググればそれなりのことは載っているのでそうすればいい、と云う事と、そういう難しい"注釈"にいちいち手間を取りながら切れ切れに読むよりも、文章の流れと勢いに沿ってテンポ良く読んでいく方が良いと思ったからでもありま
2017/06/07
樽
スケベで下品でくそったれなブコウスキーは、クソ真面目な作家だと思う。ジョン・ファンテを読まねば。
2022/08/23
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