猫はなぜ二次元に対抗できる唯一の三次元なのか
猫はなぜ二次元に対抗できる唯一の三次元なのか / 感想・レビュー
ころこ
批評の本にはテーマの本と著者の本があります。あるテーマに貫かれていると興味も持続しますが、後者は内容がバラバラで辛うじて同一人物によって書かれていることが興味を繋ぎ止めます。作品をみていないと「そうそう」というクオリアが無いので読み進めるのが難しい。本書はいかにも前者の様であって実は後者です。伊藤若冲はサブカルではないので読めた文章のひとつで、若冲のサブカル的読解を行っています。著者にレイヤーという言葉の使い方を学びましたが、遠近法が使われていない絵をみるときにレイヤーをみるようにみるというのは慧眼です。
2022/06/12
壱萬参仟縁
書名と内容が必ずしも合致していないような本。292頁~詳述か。猫の語源は寝子。早起き(013頁)。夢の臍:フロイトが夢に出現する解釈しきれない謎としたもの(062頁)。内省的な葛藤を促す要因は、言語と感情(107頁)。想像力は無害でなく、その起源にナルシシズムがある(114頁)。人間とは、自己愛とひき換えに適切な恐怖の感覚を喪失した存在(172頁)。最終的に柳田國男が目指したのは、文学、社会、国家形成のための標準語。伝統形成に寄与する公共のことば(250頁)。
2016/06/09
宇宙猫
★ あとがきでそうじゃないと言い訳されていますが、猫本詐欺に引っ掛かった気分。ピカソからジブリまでオタクの目で解説したユリイカに掲載された”論文”集。論文だから読みにくかったのか。。。猫好きは「序文」と「あとがき」だけ読むべし。本文は、狭い範囲の人達向けだと思われるので一般向けではない。
2016/06/12
Shimaneko
猫本にあらずw 毎晩のように数ページ読んでは寝落ちを繰り返すこと約2週間。ここ数年、小説ばっか読んでた頭のリハビリにはちょうどいい具合の評論集。岩明均論とクリストファー・ノーラン論が面白かった。
2015/03/23
R
サブカルチャーに関するコラムをまとめた本でした。題名まったく関係ない、酷い詐欺だと感じたのですが、あとがきでそうではないとフォローが入っていました。とはいえ、猫に関する話題なんぞ皆無で、日本のサブカルチャーについてあれこれと持論を展開している本、こういったジャンルは初めて読んだので新鮮でした。膨大な無駄知識とも思えるものから論理が構築されて、勢いで押し切りに来るような印象を受けましたが、さらっと読める本でした。
2016/05/16
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