言葉を離れる
言葉を離れる / 感想・レビュー
藤月はな(灯れ松明の火)
父上は宇野浩二から本を手渡されたことがあり、三島由紀夫と仕事をし、柴本錬太郎、井上光晴など読書家ならそのラインナップに歯噛みすること間違いなしな作家人脈がありながら芸術家、横尾忠則が如何にして自分が本を読まないのかを説いたエッセー。しかし、「本を読まない」というが、一応、彼は読んでいるのだ。そして本がないと落ち着かないまでに中毒のように耽溺する人は彼の「読書人」に対する違和感に始め、ムカッとするかもしれない。だけど、彼が描くことに熱心な事にピンと来なかったことから彼の視点は互への視点を反転させただけなのだ
2017/06/30
犬こ
本書の前半は、本を読んで来なかったことの自負について。三島由紀夫、中野孝次、星新一など著名な小説家に囲まれながらも、本は読まなかった横尾忠則だが、それなりの人物達を呼び寄せる力、これだけの文章力は、本人も書いていたとおり読書からではない実経験やコミュニケーションから培ったもの証。それでも読書をせねばと、人生いくつになっても勉強だな。すばらしい。
2016/05/22
江藤 はるは
従順な読者になった。
2020/03/16
tomosaku
アーティスト、横尾忠則氏による「なぜ自分は本を読まないのか」を主題にしたエッセイ集。なのだが、途中からその主題は薄れ「本を読まなくてもこういうこと(著者のような芸術活動)はできる」というのを、氏の来歴とあわせて読んでいる気になってくる。だがもしかしたら、読書家ほどこの本を読むべきなのかもしれない。すなわち、本を読まない人が文字に頼らずに如何様に表現活動を行うか、という、読書家からしたら遠い世界の出来事を知ることができるからだ。やや同じ話題の繰り返しは気にはなったが、ヒトの新たな側面を垣間見れた気がする。
2017/02/02
Salsaru
タイトルの項がよかった。勘がよく、優しい人なのが伝わる。そして、出会いに恵まれている。
2016/04/17
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