キャラの思考法: 現代文化論のアップグレード
キャラの思考法: 現代文化論のアップグレード / 感想・レビュー
サイバーパンツ
伊藤剛のキャラ論を軸に、サブカルチャーにおけるキャラの在り方を論じた文化評論。なんとなく言わんとする所は分かるが、なかなか難しい。とりあえず、本書のやくしまるえつこ評はファンである私もなんとなく感じていたアイドル性やセルフプロデュースの上手さを的確に言い当てており、まるえつ評では最高の出来かと思う。あと、日常の謎を軸に、過去を見据えながら現在へ接続する氷菓をポスト「終わりなき日常」あるいはポスト「セカイ系」という観点から見るのも面白かった。
2016/07/06
宇宙猫
挫折。読メの感想で面白そうと思ったんだけど、読んだら少しも興味が持てなかった。
2020/09/14
しゅん
収録された16の論は全て別々のお題に対する返答であるにも関わらず、ひとつなぎの論考として読めてしまう。加筆は行っているものの、だからといってすでに書かれた物を一つに結ぶのは至難の業である。著者が一貫した問題意識を持った書き手であることがよくわかる。静的・固定的に考えられてきたキャラの概念を動的・変質的なものとして更新するというのが本著の狙い。ロック的自己表現とは異なる演出するアイドル性を抉り出したやくしまるえつこ(相対性理論)論は白眉。変わりながら変わらない特質を描いた少年サンデー論もおもしろい。
2017/08/28
ヤギ郎
東浩紀『動物化するポストモダン』等を踏み台にして、90年代以後のサブカルチャーへの批評を行った一冊。著者は音楽やアイドルについての理解があることから、そのエリアのアップデートもしてくれてありがたい。「キャラ」という表象の考察。
2019/10/23
Takayuki Oohashi
図書館の書棚で気になるタイトルだったので借りて読みました。「涼宮ハルヒの憂鬱」の中で主人公キョンが、イエスかノーかの選択肢で選ぶストーリーが、昔ながらのタイムループではなく、東浩紀の「ゲーム的リアリズム」でのゲーム的選択を思わせるという件が印象に残りました。しかし他の箇所は知らない作品が多く、飛ばし読みの感です。取り上げられている作品や人物は、現代の今に結びつくものが多く、10年代の今のこの現象を知る上では参考になるかと思いました。ただ抽象的な表現が多いように感じ、それが東さんの論と違うように思いました。
2016/06/15
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