列島語り ―出雲・遠野・風土記―
列島語り ―出雲・遠野・風土記― / 感想・レビュー
なおこっか
『風土記の世界』と連続して読んだので、赤坂先生の更に易しい解説書という感じで楽しく読めた。古事記と遠野物語を『語り→文字化』の視点から同時に話あっても全く無理のないお二方。死者や敗者を悼み、喪失との『和解』(ここで中井久夫先生の思想にも結びつく無尽さ!)のための語り。単なる異譚や昔話カテゴリーではなく、噂話も含めた遠野物語の懐広さ、凄く興味をひかれる。時代遡って古代の、天から降ってくる神の文化と、海からやってくる神の文化は異なる、との説もとても魅力的。海の道が見えないからとてその道が無かったとは言えない。
2019/07/15
林克也
日本とは、たまたまこの地にあるだけで、民族とか血統とか、必然じゃないんだ。いくつもの日本。で、出雲のパワー、実は今でも蠢いており、そこに戦々恐々とする北方系の種族が暴走するのが、日本の歴史なんだろうな。三浦さんが、「日本書紀は天皇家の歴史が天皇のために書かれているように読める。古事記では天皇に殺された側に焦点をしぼって語られています」と述べている。つまり、日本書紀って、今の産経や読売や日経やNHKのように、時の権力者を操る連中の機関紙のような、偏ったものなんだ、ということが、知識として身に付きました。
2018/02/06
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