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不寛容な時代のポピュリズム

不寛容な時代のポピュリズム

不寛容な時代のポピュリズム

作家
森達也
出版社
青土社
発売日
2017-05-25
ISBN
9784791769940
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不寛容な時代のポピュリズム / 感想・レビュー

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ケンイチミズバ

忖度したり規制したりのスパイラル。今やSNS 上のコミュニケーションに加わることが早ければ早いほどあり得ない若さで人は空気を読む。小学生ですら。そんなジャパンの顕著な属性、一極集中・付和雷同・組織と多数派が好き・ブームやベストセラーが好き、そして個が弱い。全体と調和しやすい。集団の一員でいることで孤独や責任を回避している。メディアも政治も社会も。今はそれらの属性のマイナス面が強すぎる。ずっと前から思ってる。1970年代に戻りたい。あれくらいの頃がいちばんいい。誰もが誰もを大目に見る余裕があったと思う。

2019/03/11

なゆ

〝不寛容〟と〝ポピュリズム〟、気になる単語が並んでたので読んでみた。プロレスの話だったりやけに古い記事のようなところではアレ?と思ったが、どうやら2007年~2016年の間にあちこちの雑誌や新聞に書かれた原稿を集めたものらしい。メディアリテラシー関連は興味深く読んだ。〝圧力には逆らわない。視聴者や読者の多数派が喜ばない情報は封印する。〟などなど。そして日本人の属性。一極集中に付和雷同。「この国は絶望が足りない」という言葉が印象的。〝懲りない〟どころじゃないのね。そういえば〝忖度〟がたくさん出てきて笑えた。

2017/06/21

ロマンチッカーnao

ドイツは憲法を改正するのに、国民投票を経なくてもいい。何故か。ドイツ人は言う。それほどに自分たちは自分達を信頼していない。かつてナチスドイツで集団化した民衆がどこに進んだのか。その反省から来ている。日本はどうか。集団化する国民性という意味では、ドイツ以上。そして、今憲法を改正し、戦争の出来る国になろうとしている。日本はどこに進むのか。『我が国は危険にさらされている』と指導者が言い、戦争反対者を非国民扱いする。それだけで国を戦争へと導くことが出来る。極端だけど面白い本。

2018/01/30

世間の風潮に違和感を覚えた時は、決まって森達也さんの本を読む。森さんの文章は決して痛快でも、明快でもない(「だって」が多いので、論に説得力がないと感じてしまうことも)。それでも、真の客観性なんてないとか、正しく絶望しないと課題とは向き合えないとか、大切なことを確認させてくれるのだ▼ノルウェーの法務省官僚のコメントを読んで思ったこと...本当に罪を憎むのなら、愛と教育、そして居場所の不足を補うべし。罰だけでは悲劇を繰り返す。

2018/08/01

阿部義彦

反骨のライター兼ドキュメンタリー監督のあちこちに書き散らかした時評ともエッセイともつかない雑文をテーマ別に加筆修正を加えてまとめたもの。青土社らしい本です。「日本人は絶望的なまでに絶望しない。直後には大騒ぎするけれど、すぐ目を逸らす。責任を曖昧に分散しながら希釈する。個ではなく集団に紛れてしまう。そして同じ過ちを繰り返す。同調圧力がとても強い。一人称単位の主語を保持できない。その結果として述語が暴走する。集団への忖度が駆動力になりやすい。だからこそ勝ち目のない戦争を始めてしまった。」メディアの異端者の声

2017/06/11

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