記憶の海辺 ― 一つの同時代史 ―
記憶の海辺 ― 一つの同時代史 ― / 感想・レビュー
吟遊
池内紀さんの感傷に流れない、単なる個人史でない自叙伝。最後はエッセイ雑文のように。クラウス研究からの風刺好き、だったことはちゃんと知らなかった。
2019/01/03
はなちゃん
自分史エッセイ。マイペースな生き方、中々真似は出来ません。急死された由、ご冥福をお祈りいたします。
2018/11/05
parakeet_woman
「カフカ訳した人」の回想録。戦後の日本を生き、プラハの春を肌で感じ、全速力な経済回復と学生運動を目の当たりに…と言えばさぞかし波乱万丈な人生、と思うかもしれないが、本人はいたってマイペース。印象的なのは、ウィーン滞在中に辺境と自由について開眼し、終生のテーマを得たくだり。時代に沿って生きすぎると、大切なものを見落とすことがある。背を向けるわけではない、時代を横目に「一周遅れ」で走る。「おかげで、ほんのつかのま、ビリが先頭に立っているように見えたりします」。文学に携わる人はこうでなくちゃ、とも思う。
2019/02/11
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