いま、「非戦」を掲げる ―西谷修対談集―
いま、「非戦」を掲げる ―西谷修対談集― / 感想・レビュー
きさらぎ
私にとって氏は主としてフランス現代思想の研究をベースに、世界大戦やアウシュヴィッツについての哲学的な思索を重ねてきた思想家、という認識。その氏が戦争や紛争、グローバル経済、沖縄経済、日米同盟、民族問題、人間の合理的思考と核の制御などの問題について行った11本のインタビューや対談を収める。反戦反核という言葉は既に古めかしささえあるが、氏の主張はまさにそこにある。私は氏の主張には多く同意しないが、その思考は信頼している。その思考が、各問題の研究者や実務家たちと切り結ぶ。現場に置かれた「知」の緊張感に興奮する。
2018/01/28
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