ウルフ・ボーイズ ―二人のアメリカ人少年とメキシコで最も危険な麻薬カルテル―
ウルフ・ボーイズ ―二人のアメリカ人少年とメキシコで最も危険な麻薬カルテル― / 感想・レビュー
ケイ
メキシコの麻薬カルテル(カンパニー)でメンバー(ウルフボーイ)となったメキシコ系アメリカ人少年二人。10年ほど前に終身刑の判決を言い渡されたこの二人は、当時話題になったらしい。本の刊行前に映画化が決定している作品。なので、これは映画で観ればいいのではないか。なぜなら、扱っている内容はいいが、作者は推敲するより映画化のことを考えて急いで仕上げたのではないか思えるからた。そして、訳も...。訳者を見たら、『ザ・ガールズ』(エマ・クライン)を訳した人だった。さもありなん。
2018/08/22
スー
73麻薬カルテルのロスセタスのシカリオになったアメリカ人の青年ガブリエルと警官のロバート、双方から見たシナロアカルテルとロスセタスの抗争とアメリカ進出と少年達が残酷なシカリオに変貌していくかを見事に描いています。映画のボーダーラインでアリゾナのカルテルのアジトから大量の遺体が見つかったのか?なぜアメリカ人のシカリオを必要とするのかが分かりました。最後にはカルテルランドで農民を虐殺したカルテルのテンプル騎士団も登場、カルテルの本を読むたびに、その残虐性に戦慄してしまう。
2019/05/13
tsuneki526
頭が良く、自信に満ちてハンサムで優しい。でもメヒコだから彼は当然自分のものになると思っていたポジションを手に入れられなかった。そのことが彼を別のものに駆り立てる。麻薬取引はグローバル産業だ。ヒトが依存しないではいられない生き物である限り、常に需要がある。麻薬取引が合法のものであれば、あるいは不当に扱われることがなければ彼には別の人生があっただろう。けれどそれは多くの人にとってもそうなのだ。別の人生を生きられなかったという意味では人は皆刑務所の中にいるのと同じであり、私たちは彼を通して自分自身を見るのだ。
2019/05/08
人生意気に感ず
10点。ザ・カルテルを読んで、それで興味を持って読んだが、大袈裟なフィクションが入っていることを願う内容。真実なら(多分ほぼ実話だろうが)いろいろ考えさせられるし何て日本は平和なんだと思わずにいられない。
2018/05/27
TOMO
久々のメキシコカルテルのドキュメンタリー。シカリオというカルテルの殺し屋となった少年が描かれている。少しのドロップアウトが、まさかここまでおぞましい行為に至るとは…。殺人という異常な行為も「ビジネス」になってしまうと何も感じなくなる(バートに至っては、殺さないと落ち着かなくなったらしい)というのはやはり異常だと思う。メキシコ麻薬戦争を読んで思うのは、麻薬の需要と供給が維持され続けている限り、終わることはないだろうということ。それから、権力者はうまく逃げるということ。司法取引は諸刃の剣じゃないかね。
2018/04/10
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