映画はおそろしい 新装版
映画はおそろしい 新装版 / 感想・レビュー
De PalmaX
現代日本映画の巨匠の一人、黒沢清の90年代に書かれた文章をまとめた論集。簡潔ながら響く妙に実用的な地に足のついた独特の読みごたえがある文体は、さすが映像のカリスマ、という謎の説得力が。たまに大人げない清が出て来て可愛かったりもする(特に「フィルムと男とビデオテープ」)。
2020/07/06
寛理
☆☆☆☆☆ 映画を見るうえで、非常に参考になる本。てきとうに使ってしまっている「ホラー」とか「アクション」とかいう言葉の意味をちゃんと考えさせられる。 しかしそれよりも黒沢清のユーモラスな文体が俺は大好きで、この本の「ゴダールとは何者か」というエッセイは何度読んでも笑える。
2019/12/30
み
黒沢清の映画が好きだ。以前読んだ『黒沢清、21世紀の映画を語る』がとても面白かったので、今作を購入。今作は、1990年代の散文などをまとめた本(2001年刊行の新装版)。時々ハッとする文に出会う。映画への愛情、反骨精神、鋭い批評、自作への解説。とにかくいろんなもののごった煮は味が染みてて美味しいんだ。読んでみてやっぱり、黒沢清好きだなぁってなる。
2023/07/26
∃.狂茶党
黒沢清らしさが一番出るのは、いささか場違いなゲームに関する文章たちだろう。 映画監督が映画を語る際の、煩わしさから離れ、楽しげですらある。 しかし、「歌う映画」について熱く語ったわりに、MTV(ミュージッククリップ)についての文章は、奇妙な逡巡がみられ、中途半端なところで、終わってしまう。 たんに似たような依頼が来なかったから止まっただけかもしれないが、このことについて、短時間であれ考えた、黒沢清が、何らかの結論、納得にたどり着いたのかが、気にかかる。
2021/10/17
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