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カタコトのうわごと

カタコトのうわごと

カタコトのうわごと

作家
多和田葉子
出版社
青土社
発売日
2022-05-27
ISBN
9784791774715
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カタコトのうわごと / 感想・レビュー

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KAZOO

もうすぐ終了する朝日新聞に連載中の作者ですが、このようなエッセイ集があるとは知りませんでした。書物復権で再刊されたようです。90年代にさまざまな紙面に発表されたエッセイ集です。とはいうもの短編作品が2作収められていて楽しめました(遊園地は噓つきの天国・異界の目)。むかしからファンで言葉を大事にしている作者さんでその通りのエッセイなどや私が昔いたドイツに関するものもあり堪能しました。再読するつもりです。

2022/08/11

チャーリブ

1990年代に雑誌や新聞などに発表された著者のエッセイと書評などを集めたもの(一部書き下ろしも)。彼女の生い立ちやドイツで生活し始めたときの異文化体験、芥川賞受賞の経緯なども興味深く読みました。彼女が生まれながらにして「よそ者」の目を持っていたことがわかりました。「よそ者の目には時々、人の暮らしがフィクションであることが見えてしまうのだ」という一節に深く納得。私たちが衣服のように身に着けている日本語も然りです。日本語を自分とは独立した人格と見ることが推奨されていますが同感ですね。自然は無知に近い。○

2022/11/12

翠埜もぐら

かなり古いエッセイやら短編小説などを集めた作品の再版。多和田さんの作品は少し読んだのですが、なかなか歯が立たないと言うのが正直な感想でしたが、ご本人の解説はありがたかった。読み方と言うか考え方が少しわかったような気がします。(気がするだけかもしれませんが)詩人の・・に隠された何かを探したり、ダジャレのような言葉遊びの深層心理。言葉ってあだおろそかに使ったらいけない物なんだなぁ。それでなんで最近小説が苦手になってきたのか分かりましたわ。私、想像力が足りないんだ。いまさらながら気がついてショックが大きい。

2023/01/31

くみこ

エッセイだけでなく、2編の短編が含まれています。ドイツ語と日本語の間を行き来する独特の感覚について語られた章は、既読作品の解説のようでもあり、多和田作品の元となるものに触れたような気も。感性についての辛口な意見(感性は思考なしにはありえないのに、考えないことが感じることだと思ってる…)や、「ハムレット」の解釈も読み応えがありました。文化に対して援助を惜しまないドイツの底力も改めて知りました。そんなドイツで作家活動を続ける多和田葉子さんを知るには、最適な一冊だと思います。

2022/12/03

はちめ

多和田氏の初期のエッセイなどの作品集だが、著者の率直な考えが表れている。個人的な印象として多和田氏の小説は感性的だと感じていたのだが、多和田氏は感性で書かれた小説を明確に否定していて、感性に対応する概念として思考という言葉を使っている。多和田氏自身の小説も思考の積み重ねにより書かれているという表明だと思う。 ただ、多和田氏の小説に論理的な硬さみたいなものは感じないので、やはり感覚的な印象を思考により確認しつつ書かれているという感じだろうか。本書が復刊されて本当に良かったと思う。☆☆☆☆☆

2022/07/31

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