狂気のやすらぎ
狂気のやすらぎ / 感想・レビュー
GAKU
東江一紀さんの翻訳という事で、読んでみた1冊。統合失調症の一病型、カタトニー(緊張型分裂病)という病の重度患者、全身の運動機能が冒され、意識は鮮明だがそれを人に伝える事も、表情に表すこともできない“私”の独白というかたちで綴られる小説。決して知能が低いわけではなく、周りで起こっていることは十分理解できている、そんな”私“の独白は読者を一種独特な世界へと惹き込んで行く。看護士として精神病院での勤務経験に裏打ちされた作者の描くリアリティー感も秀逸。私は好みでしたが、万人受けする作品ではないと思う。
2016/03/20
ペグ
そして読了後も涙が止まらない。動かない肉体。けれど心は感じ、考える。そんなピーターに〜更に翻訳した東江さんに〜原文をどの様な日本語にするのかは翻訳者の解釈と表現。この本は(ストーナー)と共に再読必至だ。
2016/04/07
ホレイシア
カタトニーって症状、ご存知ですか?そういう状態にある人の内面世界。
2008/10/04
チェリ
正気は狂気かもしれない。初めての作家だったが、彼の筆致スタイルが好きなので、他の作品も読んでみたい。
2013/05/27
百千鳥
一人称の小説なのに、浮かび上がるのは本人より周りの人々の輪郭。うーん読んで気持ちの良い本ではもちろんないんですけどね、、でも特異なものなので、読んでみてもいいかも。
2016/01/10
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