パパはビリー・ズ・キックを捕まえられない (ロマンノワール)
パパはビリー・ズ・キックを捕まえられない (ロマンノワール) / 感想・レビュー
シガー&シュガー
フランスのとある団地に集まる、主に性的に拘りすぎの感じがある人たち。 あやうい均衡の上で成り立っていた彼らの人生が「ビリー・ズ・キック」の出現で崩壊していきます。伏線はそれなりに回収されて最後はきれいにまとまったとも言えるし「ビリー・ズ・キック」が事件を転がしてく様子は非常に面白かったものの、ユーモアと皮肉と諦観がごちゃまぜになったような描写に、面白さより不快が少しだけ勝りました。1971年作品、1995年翻訳。原著から受ける印象は分かりませんが翻訳に限っていえばブックデザインもあいまって古く感じました。
2016/04/08
ふう
再読(多分)。どこかしらおかしな人たち…いやはっきり言おう、変態たちが繰り広げる、ユーモラスでファンタジックでダークなドタバタ群像ミステリーfrom仏(ホトケじゃないよフランスだよ)。とりあえず読まなきゃわからない感覚の小説。決して万人向けじゃないけれどテンポよく読了できるので一読をおすすめ。訳もすごくいいし、表紙も◎。そうさ、ビリー・ズ・キックは死なないぜ!
2014/11/05
愛の餓死体
章によって語り手が変わるので飽きずに読めた。
2013/09/27
ネムル
掃き溜めとまではいかないが、低所得層の溜まる団地。そこに住む面々の謎の殺人犯ビリー・ズ・キックに仮託した希望と、それに乗っ取った奇矯な、あまりに奇矯な行動がぐちゃぐちゃに入り乱れ、ラストはどかん! こ、これはひどいw。しかし、こうした無茶ぶりをクールに描き出す文体の勢いこそ、フレンチ・ノワールの魅力。いや、堪能しました。
2010/04/12
ありさと
フランス・ミステリは変なんだけどこれも変だ。けどその変さ加減が不気味。閉塞感の拗れが変なユーモアになって溢れ出してる感じ。スピード感、伏線の周到さ、良いです。
2018/06/28
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