FBIが恐れた伝説のハッカ- (下)
FBIが恐れた伝説のハッカ- (下) / 感想・レビュー
roughfractus02
下巻は追う者と追われる者にマスメディアが重み付けする善悪対立が付きにくいサイバー空間での応酬を、逃走中に取材したミトニック本人の言葉も含めて描く。追う者が罠を作って自らのPCに誘い込み、シールドシステムを高度に構築していたと追われる者が分析し感嘆する言葉を読むと、この空間が身体や振る舞いに記される社会的な共通感覚(道徳等)が希薄な、言語の振る舞いで構築される社会であることが理解できる。一方、現実社会では、法はミトニックの身体を拘束し、本書の出版によって著者も下村や報道記者マーコフに抗議される後日談が続く。
2018/06/29
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