昔話はなぜ、お爺さんとお婆さんが主役なのか
昔話はなぜ、お爺さんとお婆さんが主役なのか / 感想・レビュー
小梅
タイトル買いした本。退職金も年金もない時代、体が動く限りに働き続けなければ食べていかれなかった。昔々の人はもっと短命だったイメージがあるが、以外に長生きだったらしい。今に伝わる昔話は毒の部分をだいぶマイルドにしたもので、元になった話しはかなりグロい。私の叔父の家が檀家になってる寺は福島県に伝わる「安達ヶ原の鬼婆」の鬼婆を祀った寺で、本書に出てきた。生産性の無い老人や子供を人食い…いまなら犯罪だけど(*_*)
2016/10/21
AICHAN
図書館本。「むかしむかし」とくれば「おじいさんとおばあさんが」だ。それがなぜなのかを古典を引き合いに出して推測する。同時に、昔の老人たちはどのくらい生きたのか、家庭的・社会的にどういう扱いを受けてきたのかも推測する。とても面白かった。昔は独身の老人が多かった、老人は家庭からも社会からも冷遇されていた、それでも老人たちは働き者で、老いらくの恋を求めていた…等々。昔話で老人が主人公なのが多いのは、語り手が老人だったから、冷遇されていた老人が幸せになるというストーリーが受けたから…等々。
2019/03/20
ユウユウ
最近、大塚ひかりが面白い。
2015/07/17
tomi
昔話や古典文学に描かれた老人像から、昔の老人の生態を考察する。福祉なんてない昔は当然働かなければ生活できず、弱った年寄りはお荷物に過ぎなかった。そもそも儒教の教えが広まる前は老人の社会的地位が低く、除け者にされる存在だった。そういう老人の生き辛さが昔話には反映されている。しかし現代風にアレンジされる前の昔話の残酷さは「かちかち山」始めなかなか凄い。 老人の概念は昔から変わらず、奈良・平安時代の官僚の定年は70歳というのは意外でした。
2015/06/30
ロマンチッカーnao
昔の日本は良かった。というには間違い。今が一番良い。あ~現代に産まれて良かった。と思えました。意外だったのは、幼齢の頃の命の危険の高い時代を超えた後の世代では寿命は60代、70代と現代と比べてもそんなに低くない事。江戸時代でも最近の若者は30歳を超えないと結婚しないと晩婚と言われている現代と変わらない事。社会に今のような社会保障がないので、老人になっても働き続けないと生きていけなかった事。だからこそ昔話の老人はみんな働いてたんですね。しかし、飢饉が来れば親でも子供でも人肉を喰っていたという事実は怖かった。
2016/06/06
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