移民の一万年史: 人口移動・遙かなる民族の旅
移民の一万年史: 人口移動・遙かなる民族の旅 / 感想・レビュー
姉勤
世界各地域の人類の移動について。まるで資料集を延々読まされているようなので、苦痛。各大陸、亜大陸、海洋域に先史以前から現代までどうやって人種が移動したか。原因は車輪や乗馬の発明、宗教対立、略奪や奴隷制を含む経済活動、紛争回避が主な原因とされる。戦乱や病原菌、気候変動による死滅の記述はあるが、その後もそのまま同一民族である記述が散見され(特にチャイナ史)一昔前の本という印象は否めない。日本の記述は南米、アメリカ、ハワイ移民に関する程度。ハワイ諸島先住民の絶滅には驚かされる。
2019/11/04
Masatoshi Oyu
先史時代から現代にいたるまでの移民の歴史。現代的な問題と思っていた移民だが、実は人類は常に移民を繰り返し、新しい国家や文化を生み出しもしてきた。外国語論文の邦訳のため文章としては読みにくいが、様々な歴史的事件の裏側にこの様な人口の移動があったのか、というのは新たな発見である。そして、人類が常に移住を繰り返してきた歴史は、現代のナショナリズムを考える上で参考資料を提供するのではないだろうか。
2017/09/09
舌噛
民族の移動という視点からみた一種の歴史書。共著ながら西欧人たちの執筆のためかヨーロッパ人視点に偏っているのは仕方ないか。最終章のオセアニアは淡々と書かれていたが最も凄惨さを感じた。一番興味深かったのはインド人の章でインド洋周辺の地域での人と文化の交流の足跡を知ることができた。翻訳臭さが強くて読みにくいのが難点。
2016/11/19
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